キヤノンメディカルシステムズ、デュアルエナジー技術「Spectral Imaging System」を『Aquilion ONE/GENESIS Edition』に搭載
- 映像情報Medical編集部
- 2019年6月10日
- 読了時間: 2分
キヤノンメディカルシステムズ株式会社は、新たなデュアルエナジー技術「Spectral Imaging System(スペクトラル イメージング システム)(※1)」を搭載可能なエリアディテクタCT『Aquilion ONE/GENESIS Edition』の国内販売を開始した。

デュアルエナジーは、管電圧の異なる2種類のX線を用いてCT撮影する技術で、今回搭載されるSpectral Imaging Systemにより、従来のCT画像と比べ、アーチファクトの低減やコントラスト向上等の画質改善効果が得られるとともに、仮想単色X線画像の作成(※2)や、さまざまな物質の弁別(※3)が可能となる。Spectral Imaging Systemは独自の撮影技術「Spectral Scan」と再構成技術「Spectral Reconstruction」から構成される。
■Spectral Scan
1回のスキャンにおいて高低2種の管電圧を高速で切り替えての撮影(Rapid kV Switching)および、自動照射制御(Auto Exposure Control:AEC)との併用が可能な撮影法である。寝台の天板移動なしで最大160mmの撮影ができるSpectral Volume Scanと、最大80mmの幅で天板を移動しながら連続回転して撮影できるSpectral Helical Scanに対応し、体型や部位に合わせて適切な撮影モードの選択と線量調整を行うことができる。
■Spectral Reconstruction
ディープラーニングを用いて設計された画像再構成法である。
Spectral Scanによって得られた投影データすべてを活用して、物質情報に基づくCT画像を作成する。Spectral Reconstructionにより、物質弁別画像の生成とノイズ低減効果が得られる。
Spectral Imaging System をエリアディテクタCTに搭載することで、最大160mmの範囲を天板移動なしで撮影することができる。また、従来のkV Switching方式では困難とされていたAECを併用することができるため、不要な照射を抑え撮影線量の最適化が可能。さらに、医用画像処理ワークステーション「Vitrea VWS-001 SA」に搭載される専用の解析ソフトウェアを用いることで、実効原子番号や電子密度測定等、より高度な解析も可能となる。
■Spectral Imaging Systemの主な特長
・ 同時相撮影による高精度なデータの収集が可能。位置ずれの影響の少ない高精度な解析を可能とする画像を提供する。
・ 面検出器により160 mmの幅を1回転で一度に撮影できるため、短時間での撮影が可能。
・AEC連動により、照射線量の最適化が図れる。
・ Deep Learningを用いた画像再構成により、高いアーチファクト低減とノイズ低減効果が得られる。
・ スキャンと連動して画像や解析結果を作成できるため、ワークフローの高速化を実現する。
※1 Option販売
※2 2 つの異なるX線管電圧の投影データから仮想的に算出される単色X線相当の画像
※3 2 つの異なるX線管電圧で撮影し、物質固有のエネルギー透過性の違いを利用して物質を弁別すること。Vitrea VWS-001 SAに搭載されている機能。
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