東京医科歯科大学、医薬品開発を加速する芳香族スルフィド合成法を開発
- 映像情報Medical編集部
- 2019年7月1日
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東京医科歯科大学生体材料工学研究所生命有機化学分野の細谷孝充 教授、吉田 優 准教授、中村 悠氏(博士課程学生、日本学術振興会特別研究員)らの研究グループは、2種のアライン(※)を経由する「アラインリレー法」によって、芳香族スルフィド類を合成する効率的な手法の開発に成功した(図1)。この手法によって、これまでは未開拓であった 3位にチオ基を有するアラインの変換を鍵として、幅広い有機硫黄化合物を効率的に合成できることを明らかにした。本手法を用いることで、従来法では困難であった含硫黄縮環型化合物の合成が可能になることから、医薬品や有機材料の開発などに広く役立つことが期待される。この研究は、文部科学省科学研究費補助金ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業等の支援のもとで行われたもので、その研究成果は、2019 年 6 月 25 日に、アメリカ化学会の有機化学専門誌 Organic Lettersのオンライン版で発表された。

■研究成果の概要
本研究グループは、2種のアラインを経由する「アラインリレー法」によって、多置換芳香族スルフィド合成法 の開発に成功した。本研究によって、これまでは未開拓であった、3位にチオ基を有するアラインの変換を 鍵として幅広い有機硫黄化合物を効率的に合成できるようになった。
■研究成果の意義
本手法によって、従来法では困難であった含硫黄縮環型化合物の合成が可能になったことから、医薬品や 有機材料の開発などに広く役立つことが期待される。
※ アライン ベンゼン環の一部が三重結合になった短寿命化学種。「ベンザイン」とも呼ばれ、幅広いベンゼン類の合成に 役立つ中間体として利用されている。
【お問い合わせ】
本研究に関するお問い合わせは下記のとおり。
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所
生命有機化学分野 細谷 孝充(ホソヤ タカミツ)
吉田 優(ヨシダ スグル)
TEL:03-5280-8114 FAX:03-5280-8114
E-mail: thosoya.cb@tmd.ac.jp(細谷)
s-yoshida.cb@tmd.ac.jp(吉田)
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