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タイムセラ、東和薬品と家族性アルツハイマー病治療薬の共同研究開発契約を締結

タイムセラ株式会社(以下、タイムセラ)は、東和薬品株式会社(以下、東和薬品)との間で、共同研究開発契約を8月26日付で締結した。既承認薬に対するiPS創薬により、家族性アルツハイマー病の病因物質を抑制する根本治療薬候補として見出されたブロモクリプチンの新規適応取得を目指した共同研究を開始する。


■iPS創薬による難治性疾患の根本治療薬

現在、難治性疾患であるアルツハイマー病は、対症療法薬しかなく、大きな社会問題になっている。特に家族性アルツハイマー病の方は、若年から認知機能の低下が生じ、根本治療薬の開発が切望されている。


京都大学iPS細胞研究所は、iPS創薬による家族性アルツハイマー病の治療薬の探索研究を実施し、病因物質を抑制する根本治療の臨床開発候補物質としてブロモクリプチンを見出した。具体的には、患者iPS細胞から分化誘導した大脳皮質神経細胞を用いてアルツハイマー病の病原物質であるアミロイドベータ蛋白(Aβ)の代謝動態を指標とする実験系が構築された。これを用いて、すでに安全性の情報が充実し長期の忍容性が確認された1,258種類の既承認薬についてスクリーニングを行い、Aβ産出を減少させる根本治療薬候補として有望な化合物ブロモクリプチンを見出した。


ブロモクリプチンは、難治性神経疾患の患者に対する根本治療薬の提供という課題解決を可能にすると考えている。これが実現すればジェネリック医薬品からのiPS創薬を用いた日本で最初の新規適応承認取得となる。


タイムセラは、既承認薬からの新規適応をその事業活動の1つとして位置づけ、これからも積極的に承認販売申請を目指した研究開発を実施していくとしている。この開発枠組みでは安全性の担保に加え、日本が有する薬剤資産を有効に活用して開発費用を削減することが可能となる。


■家族性アルツハイマー病について

通常、アルツハイマー病は70歳を超えて発症される。一方で、40~50歳代、あるいはそれより若い年齢で発症するケースもある。こうしたケースの多くが、家族の中にもアルツハイマー病を発症している傾向がある。また、遺伝的なアルツハイマー病の素因が考えられるため、家族性アルツハイマー病と呼ばれている。日本での家族性アルツハイマー病患者数は4,000~5,000人と推定されている。


■ブロモクリプチンについて

ブロモクリプチンは「産褥性乳汁分泌抑制、乳汁漏出症、高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)」「末端肥大症、下垂体性巨人症」「パーキンソン症候群」の治療薬として、東和薬品では1992年よりジェネリック医薬品として販売している。


タイムセラ株式会社

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