top of page

イーグロース、AIによるCT金属アーチファクト低減技術を開発

イーグロース株式会社は、AIを用いて、CTの金属アーチファクトを低減可能な技術(出願済)を開発した。本技術を用いて、京都大学大学院情報学研究科、医学研究科(以下、京都大学)および奈良県立医科大学口腔外科学講座(以下、奈良県立医科大学 )と共同で手術計画および放射線治療への支援手法の応用研究へ展開予定である。


CT撮像領域内の金属等に起因する放射状のアーチファクトは、手術、診断および放射線治療の円滑な計画立案を大きく阻害している。イーグロース株式会社は、深層学習技術の1つであるGAN(敵対的生成ネットワーク)と呼ばれる技術を応用し、従来手法と全く異なる金属アーチファクトの低減技術の開発(出願済)に成功した。本技術を利用し、口腔外科分野の3D-CTに対し、金属アーチファクトを低減可能なAIを開発済みであり、今後は京都大学および奈良県立医科大学と共同で手術や放射線治療の支援研究や3D造形分野の支援技術へ展開する予定である。


AIによる金属アーチファクト低減例(3D)
AIによる金属アーチファクト低減例(3D)

2D断面の低減前(上段)と低減後(下段)
2D断面の低減前(上段)と低減後(下段)

正作業を大きく軽減

口腔CTに多く含まれる金属アーチファクトは、CT装置に低減機能がない場合や低減が不十分な場合、技師または専門医が手作業で除去することが一般的であり、その作業負担は大きく、1症例ごとに平均1時間程度を要する。本技術はAIが自動でアーチファクト部を認識し、アーチファクトの少ない画像として自動修正する。骨組織の乱れだけでなく、軟組織の補填も行えるため、医療現場の負担軽減に繋がる。


単独導入、市販ゲーム用PCで実行可能

従来の低減技術はCT装置で取得されるサイノグラムと呼ばれるデータを利用するため、CT装置に付随するのが一般的である上、低減機能のないCT装置を導入している医療機関もまだ多い。本技術はCTデータのみで低減演算が行えるため、単独サービスまたは製品として提供できる上、学習済みAIモデル(※)は廉価な市販ゲーム用PCを用いても、3D-CTデータに対して約30秒~1分程度で低減演算が完了する。


※AIモデルの学習には、さくらインターネット株式会社の「高火力コンピューティング」サービス(TeslaV100, 32GBモデル)を利用している。




イーグロース株式会社


bottom of page